日本でいう紅白歌合戦、「春晚」に崔健が出るという話が
【北京時事】中国ロックの創始者とされる崔健氏(52)が、旧正月おおみそか(30日)に国営中央テレビが放映する大型番組「春節晩会」に初出演する可能性が高いと、中国メディアが7日、相次いで伝えた。NHK紅白歌合戦に相当する国民的番組にかつて反体制メッセージをにじませた「ロックの父」が登場することに、インターネット上では「期待」と「失望」が入り交じり反応は複雑だ。
中国メディアによると、崔氏は番組からの招待状を既に受け取った。今年の「晩会」の目玉として注目を浴びている。代表曲「一無所有」(一文無し)を歌うとの見方が強い。
崔氏の歌は、1989年の天安門事件の際、民主化を要求した学生らの愛唱歌となった。民主化運動の弾圧直後、中国当局は崔氏のコンサート活動を警戒。同氏は大型コンサートの開催停止を余儀なくされた。
崔氏は近年、政治色を薄めつつ、活動の場を広げてきた。中国版ツイッター「微博」では「『一文無し』なんて今の中国(国民)の状況に合っている」「(崔氏は)結局のところ党の人だった」と書き込みが続いている。(2014/01/07-17:22)http://www.jiji.com/jc/zc?k=201401/2014010700694
もうすぐ旧正月です。はじめて旧正月に瀋陽に行くので楽しみにしています。先週、日本で言う紅白歌合戦のような番組の「春晚」に崔健が出演するというニュースがあったので楽しみにしていたのですが昨日あたりに出演取りやめというニュースがありました。残念。
TBS RADIO 954khz 荒川強啓 デイ・キャッチ!
毒入りギョーザ事件、6年を経て判決
崔健は私が高校生の頃ユースケ・サンタマリアが司会をしていた音楽番組で紹介されていました。
崔健は当時は中国ではとても人気のあったロック・ミュージシャンですが、今では知らない人も多いようです。
崔健が「春晚」に出るのがなぜ話題になるのかというと1989年の天安門事件でストライキをする学生たちの間で「一无所有」という歌がよく歌われたからです。その「一无所有」を7億人も見ると言われている旧正月の番組で歌うという話はちょっとした事件として扱われます。
中国の民主化を求める亡命者のインタビューで構成されたドキュメンタリー映画「亡命」の予告編でも、崔健の音楽が象徴的に使われています。
崔健の場合は天安門事件があった時広場で歌ったそうなので、積極的に政治参加してはいますが、一方でその他中国のポップカルチャーを紹介する際に政治的な事柄に結びつけて紹介されることがよくあります。そういった時にふと思い出すインタビューの記事がありますので引用しておきます。ふるまいよしこさんの書かれた「中国新声代」というインタビュー集のなかの王小峰という人へのインタビューの一部です。何でもかんでも反中共・民主化と結びつけて取り上げる国外メディアへの批判です。
ぼくが西洋メディアをあまり好きでないのは、彼らは自分の必要に応じてある種の枠を作り上げて、中国で誰がそこにはまるのかを探し出してそいつをそこへ放り込んでします。ぼくがブログをクローズしたのも、そんな態度のロイターの記者に警告を発するためでした。
崔健や艾未未などは明らかに自分からコミットメントしていますが、中にはそうでない人がメディアが求める形に歪曲されて伝わり、民主化・反中共のメセージとして利用されている場合もあるようです。